ビジネスコーチのショートエッセイ;気分は昼行燈(ひるあんどん)-⑮

ビジネスコーチのショートエッセイ;気分は昼行燈(ひるあんどん)-⑮

2021年12月30日 オフ 投稿者: Hill Andon

12月30日 来年はブタ年?

「養豚界」という雑誌をご存知でしょうか?

「養豚の現場が分かる・見える!養豚業界の最新情報や現場ですぐに役立つ実践的な情報など幅広い情報を提供します。」
まぁそう簡単に一般ピープルが読む雑誌ではありませんね。
なぜ私が知ってるかって?
毎月、日経新聞の一面に最新刊の広告が出てるんです。
「養豚界か・・・?一回買ってみようかな。」
広告を見てそう感じる人が何人いるのか、ちょっと想像がつきませんが、少なくとも私がこの雑誌の存在を知っている、ということは宣伝の意味があった、と言えなくもない・・・?

中小企業が最も苦手としているのが「継続」です。
さすがにご本業の日常オペレーションはキチンと継続されている会社が多いです。じゃないと潰れちゃうんで。
ところがそれ以外の活動、例えば宣伝広告とか、新規事業の進捗管理とか、管理会計のPDCAとか、は・・・。

その点、養豚界(というか版元の出版社)はエライ!
毎月毎月、日経新聞の一面に、相応のコストをかけて広告を出し続けているのですから。
養豚界(雑誌も業界も)のブランディングに貢献している?

1度や2度では効果が見えてこない、継続して初めて効き目が出てくることってありますよね。意外とそういうコトこそが企業経営にとって付加価値になったりします。

大企業の場合は比較的継続率は高いです。形骸化してでも続けてます。それはそれで問題ですが。
やはり、何かを決めるときには「稟議」があって、決裁する人の責任や申請する部署のメンツもあって、いったん決まると簡単には止められない、ということもあるんでしょうね。

中小企業の場合そうした「制度化プロセス」がない分、継続を担保する仕組みが脆弱な面は否めません。

でも、それを乗り越えて何かを継続していくこと、その行為自体が組織力を強化します。
そして、そのエンジンには経営者がなる以外に選択肢はありません。
それに気付いていない経営者が意外に多い気がします。
「どうせ、ウチの会社は何やっても長続きしないんだよ」
社長、アンタがそれを言うたらあきません。

丑年最後のエッセイは、豚のネタでした。
それではみなさま、よいお年を。

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12月23日 ランサムウェア

少し古いデータですが、警察庁が2021年1-6月のランサムウェアの被害状況をまとめたところ、全61件の被害者のうち2/3が中小企業だったそうです。
かねてから中小企業ではサイバーセキュリティ対策が進んでいないと言われていましたが、一方で中小企業側には「ウチの会社は大した情報持ってないからサイバー攻撃されても大丈夫」みたいな感覚があるように思います。


でもランサムウェアは企業のシステム内の情報を暗号化して読めなくして、復元するための「身代金」を取る手口。
コレだとそういう図式は当てはまりません。自社の情報が自社で使えなくなるワケですから。
今回の調べでは復旧に1000万円以上かかったケースも相当数あったとか。
中小企業にとって1000万円は少なくない被害額ですよね。
サイバーセキュリティ、大丈夫ですか?

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12月16日 ギヤを入れ替えるとき

欧米やラテンアメリカではじわじわと(国によっては急激に)消費者物価が上昇しつつあります。
米国などでは並行して賃金も徐々に上がってきているようです。
一方日本の消費者物価指数は2021年10月時点で前年同月比0.1%のアップ。落着いています。
しかし、ご存知の方も多いとは思いますが、企業にとっては原材料の仕入価格の上昇が既に深刻化しています。
「とは言え、値上げはできないよ」とはある食品加工メーカーさんのお話し。
BtoCのビジネスでは、原材料価格の上昇を価格転嫁するのは容易ではないようです。
長年のデフレ経験から「値上げ」に対する恐怖感、罪悪感?が日本企業に染みついているように思えます。
原価が上がって価格転嫁ができないとすると、利益を出すにはコスト削減しかありません。
そしてコストの大きな部分を占めるのは人件費・・・。

政府は躍起になって賃上げを促していますが、ベクトルは逆に向いていますね。
賃金が上がらなければ消費は喚起されず、消費が低迷すればデフレからは抜けられない。

そろそろ発想のギヤを入れ替えるときが来ているように思います。

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12月9日 スティーブ・ジョブズのプレゼン

プレゼンテーションのお手本として、アップルの創業者、故スティーブ・ジョブズのそれが挙げられます。
通常とは逆にWhy→How→Whatと進み、「ゴールデン・サークル」と呼ばれるそうです。
「私たちは誰もが諦めている変化を、世界に起こすために働いています」(Why)→「それは人の心を動かすほど美しくデザインされ、誰でも簡単に使える製品を作ることです」(How)→「こうして見たこともないパソコン(PC)が出来上がりました。如何ですか?」(What)

そりゃジョブズみたいな偉いヒトのお言葉なら、何しゃべってもみんな聴いてくれるよ・・・。
そうでもないでしょ。

偉大なるスティーブ・ジョブズとは言え、扱っているものはPC。競合製品が溢れている「コモディティー」です。
「我が社のPCは・・・」とWhatから始めてしまっては「ああ、新製品のPCの話か」と続きを聴いてくれません。
「我が社が目指す世界観」や「存在する意味」、アップル社は何故(why)働いているか?を冒頭に持ってきて、それを実現するコンセプト(How)を続け、最後に「この製品」とWhatを持ってくることでコモディティーであるPCをアップル社の世界観とつなげ、PCと共に「世界観」(つまりアップル社そのもの)も売り込んでいるワケです。

そうか!ウチで扱っている製品もコモディティー。確かにWhatの押し売りじゃお客様も振り向いてくれないな・・・。
よし、次回のプレゼンはゴールデンサークルだ!!
待てよ・・・。ところでウチにとってのWhyって何だっけ・・・・?

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12月2日 座礁資産

「座礁資産」というものがあるそうです。
規制の変化や経済性の変化などで「存在するけれど使えなくなってしまった資産」のことのようです。

先ごろ英国で開催されたCOP26では石炭使用を段階的に「廃止」する合意文書の予定が「削減」と修正されました。
「廃止」としてしまうと石炭を掘ったり、石炭を燃やして電力や動力を起こしている様々な設備や機械が「座礁資産化」することを恐れた国々(企業)が合意に反対したためです。

日本でも三菱重工など石炭火力発電設備関連のビジネスに依存する企業の資産が「座礁」する懸念に晒されています。
座礁資産は機械や設備などの「モノ」だけにとどまりません。
石炭火力発電所などの設計スキルを持つエンジニアの転職希望がここにきて増加しているとか。
自分の持つノウハウが座礁資産化する前に・・・。ということなのでしょう。

電気自動車が普及すれば何が起こるでしょう?
ガソリン車を作ってきた自動車メーカー、それに連なる膨大な数の下請け企業の資産の多くが座礁する可能性が高いです。

それでも大企業は座礁する前にビジネスモデルを転換することもできるでしょうが、下請けの中小企業は親会社の意向に振り回されて自力で能動的に方向転換できないケースも多いでしょう。
取引先の大企業から「ウチは環境負荷の低い製品を使うことにしたから、御社もそれに対応してください」とある日突然通告されたとしたら・・・。

御社の資産は座礁してませんか?

う~ん。一番座礁する可能性が高いのは・・・。社長かなぁ・・・。

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11月23日 デジタル庁の主要?政策

デジタル庁というお役所ができました。
https://www.digital.go.jp/about
「デジタル社会形成の司令塔として、未来志向のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を大胆に推進し、デジタル時代の官民のインフラを今後5年で一気呵成に作り上げることを目指します。」とのこと。

主な政策の一つとして「GビズID」が挙げられています。
「行政手続等において手続を行う法人を認証するための仕組みです。1つのID・パスワードで本人確認書類なしで様々な政府・自治体の法人向けオンライン申請が可能になります。」
IDとパスワードがあれば証明書類やハンコがいらない電子申請の仕組みです。
従来からあったインフラで、デジタル庁に移管されてきました。
私もけっこう仕事で使ってます。

このGビズIDを最初に取得する際の手続きが面白い。
申請書をダウンロードして実印を押して、印鑑証明書をつけて郵送。です。
冗談みたいでしょ?

某リゾート地でワーケーション需要を取り込もうと発足した「リゾートテレワーク評議会」の会合を対面でやってるっていう「事実」(事実です!)に勝るとも劣らず・・・。

まぁお役所にはお役所の事情なり論理なりがあるでしょうから。それに従わないと行政サービスが受けられないわけで。
仲良くやっていきましょう!

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11月16日 良い戦略、悪い戦略

「良い戦略、悪い戦略」という本を読んでいます。(リチャード・P・ルメルト著 日本経済新聞出版)
「良い戦略」の例として、湾岸戦争の米軍が紹介されています。

イラク軍正面に陽動作戦を展開し、本隊は側面攻撃を仕掛ける。
めちゃくちゃオーソドックスな作戦なのですが、あちこちから大ブーイングが起こったそうです。
「米軍最強の俺たち海兵隊が陽動部隊かよ!」
「サウジアラビアの国王が作戦立案に関与させろと言ってきています!」
勝因はシュワルツコフ司令官がブッシュ大統領に働きかけて、こうしたブーイングを抑え込んだから。と言われています。

組織が複雑になるほど、あちこちの利害に配慮する必要が出てきて、結果としてシンプルにリソースを集中する「良い戦略」が立てられず、わかっていてもアクセルとブレーキを両方踏むような「悪い戦略」を取らざるを得ない。

日本政府のコロナ禍対応「戦略」などもその典型ではないでしょうか?

こうした関係者利害調整型の「悪い戦略」はとりわけ大企業に見受けられます。
「営業部長が何で勝手に動いたんだ、と怒り狂ってます!」
「ここは専務の案を盛り込んどこう。後でヘソ曲げられると大変だからな・・・」

中小企業の場合はそうした心配は少ないですが、社長のキャラクターひとつで物事が決められてしまうため「戦略は突撃」または「戦略という概念自体がない」といったケースが生じます。
その結果、アクセルを踏みっ放しになったり、アクセルもブレーキも踏まずに下り坂でクラッチを切ったような経営(マニュアル車世代の譬えでスミマセン)になったりしがちです。
おお怖わ・・・。

ところで社長、コロナ後の「戦略」、どう立てますか?

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11月9日 みんなやってますよ!

有名な?「国民性ジョーク」です。

沈没の危機に瀕する豪華客船には世界各国からの乗客が。
船を軽くして老人や子供、女性を守るには男性乗客から海に飛び込んでもらうしかない!

(米国男性乗客に対して)
「真っ先に飛び込んだら、あなたはヒーローだ!」
「オーケー!イエェーイ!」
彼は夜の冷たい海に飛び込んでいきました。

(英国男性に)
「もしあなたが紳士なら・・・・」
「わかった!みなまで言うな!」

(ドイツ人に)
「規則ですから・・・」

(イタリア人に)
「海面には美女が待ってるよ!!」

(フランス人に)
「飛び込んではいけません」

(そして、日本人)
「みんな飛び込んでますから・・・」

この日本人の国民性?はコロナ禍においても見事に現れましたね。
感染初期。
法的根拠があったりなかったり、政府や自治体からは様々な「要請」がなされました。
それらは(筆者の認識では)他の国に比べれば強制力は低かったのに日本国民はしっかり外出を控え、圧倒的なマスク着用率。
海外から「奇跡」とさえ言われた低感染率には、「みんなそうしてるから・・・。」の果たした役割が大きかったと思います。
その後、なし崩し的に規律が緩んでいったのも、これまた「もう、みんなやってないし・・・」でしたが。

コロナ後の社会がいくら変貌を遂げようと、日本人のこの性向だけはそう簡単には変わらないでしょうね。
B2BにせよB2Cにせよ、マーケティングの仕掛けドコロであることは間違いないでしょう。

社長、御社もコーチングやりませんか?
みんなやってますよ!

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11月3日 星野君の二塁打

「星野君の二塁打」という児童小説があります。
1947年頃に書かれ、道徳の定番教材にもなっているそうです。
送りバントのサインに従わず二塁打を打った星野君。ランナー還って決勝点!チームは全国大会へ。
けれど監督はチームの統制を乱したと星野君をメンバーから外すという「処分」を言い渡す・・・。
まぁいろいろ議論のある「教材」らしいのですが。

サッカーにはこんなエピソードがあります。
日本代表の練習。
数人ずつに分かれたゲーム形式の練習で、周りで見ている選手に対して監督のイビチャ・オシムさん。
「オマエ、今そこでプレーに参加したらチャンスになっただろ!何で見ている?」
代表選手「いやぁ~・・・(だってオレ順番待ちだよ。この練習、ルール決めたの監督でしょ。)」

One Team。
One for all, all for one。
ラグビーW杯以降「みんなのお気に入り」となったこれらの言葉、けれど欧米文化圏の人々が抱くこれらに対する感覚と、我々日本人のそれは微妙に違うような気がします。

オシムさんはそのあたりの「日本人の組織/秩序感覚」に揺さぶりをかけたかったのでは?と思ったりもします。

「個性を大切に、創造性が発揮しやすい組織作り」と「秩序ある一体感を持った組織作り」。
二者択一のハナシではないのですが、日本の企業はそれらについてどの程度のウェイト付けを行なって組織運営していけば良いのでしょうか。

現代の「星野君」に、あなただったらどう指導しますか?

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10月26日 コロナ病棟 看護師長のひとりごと

「昨日ようやく専用病棟の全部のベッドが空になったわ。
また、いつ次の患者が運び込まれるか、わかんないけどね。

最近はね、最初の頃と違って若い人が多かったのよ。入院患者にね。
20代から60代くらいまで。

面白かったのはね、年齢層によって随分患者の様子が違ったこと。

20-30代はね、感染経路が不明な人が多かった。
どこでうつされたかわかんない!家族や職場に申し訳ない!早く治して復帰したい!ってわりと必死っていうか神妙にしてる人が多かった。

ところが40-60代になるとね、自営業者とか中小企業の社長さんとかが多くてね。このヒトたち、新地の飲み屋の闇営業?で貰ってきちゃうのよコロナを。接待やってたんだからしょうがないだろ、みたいな感じで全然悪びれてない。で、少し回復したら、もう大丈夫だ、退院させろ!とか言ってね。
退院させたらどうせすぐ飲みにいって他の人にうつしちゃうじゃない。ヒドイよね。あの年代は・・・。」

なんだそうです。
社長、我々の世代は風当たり強いですねぇ・・・。
ワクチン接種率が高まってきて、これから徐々に様相は変わっていくんでしょうが。
襟を正していきましょう!

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10月19日 DXと書いて・・・?

「DX」と書いて何と読みますか?何を連想されますか?
最近よく見かけますよね。

デラックス? マツコDX? いやいやいや・・・・。
「デジタルトランスフォーメション」とはなかなか読めません。よね?
このDX。読み方はもちろん、その中身も何のことやら分かり難い。
結構幅広い概念?で「オフィスの紙を減らそう」「テレワークに対応できるよう社内の仕組みや設備を整えよう」というのもDXだし、「IT化を梃子に当社のビジネスモデルを刷新しよう」さらには「ITで業界の慣行や構造の変革を仕掛けるぞ!」もDXと言って良さそうです。

とはいえウチ(の会社)で何やんの?何から手をつけたら良いの?となると悩みますよね。

大企業とかだと
「DXの時代、我が社もこの流れに遅れることなくトレンドを先取りしていかねばなりません!!」
「また部長があんなこと言ってるけど、どうせ俺らに丸投げするんだろうなぁ・・・」
みたいな展開なんでしょうが、中小企業だとそうはいきません。
コトバ遊びをやっていてはメシは食えないし、とはいえ実際問題としてウチってIT化遅れているしなぁ。ITわかる社員いないしなぁ・・・。

でもこのDX、一時的な流行りでは終わらなさそうです。先送りせずに社長が先頭に立ってやれることからコツコツやっていくしかなさそうです。
まずは身の回り、社長の管理資料を紙からデジタルにしてみましょう。
そもそも管理資料を作ってない!?
ちょうどいい機会です。エクセルで作りましょう。
次に社内外のミーティングの何割かをリモート会議に変えてみましょう。意外に支障ないな。効率も良いな。となるかもしれません。
そうしてじわじわとDXを進めていけば・・・。
待っているのは「デラックス」な未来です!!!

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10月11日 元鹿島アントラーズ 岩政さんの本

元鹿島アントラーズの岩政(いわまさ)さんが書いた本を読んでます。

岩政さんは日本代表にも選ばれたことのあるディフェンダー。今はサッカー解説者。大学サッカー部の監督です。
この本、岩政さんの外見に似合わず(?)非常にロジカル。
評論家目線ではなく選手や指導者の目線でサッカーの実践場面で現れる様々な現象を見事に「言語化」しています。
そしてこの本が面白いのは「言語化すりゃあ良いってぇもんじゃない」と言い切っているところ。

現代のサッカーシーンは分析が高度に進み、その結果これまでは選手や監督のアタマの中に漠然とあったイメージが次々と言語化され定義されています(5レーン、ハーフスペースetc.)。
指導者は、自らの目指すサッカーを「再現性」をもって実現するために、それらを駆使して選手を指導します。饒舌にロジカルに具体的に。

果たしてそれで良いのか?
過度に言語化し、具体化され定義化された情報をインプットすることで選手の「判断の余白」「個性の余白」を奪ってしまうのではないか?
というのがこの本の主張。

このことはサッカーに限らず他の組織運営や指導の場面にも当てはまるのではないか、と思います。
コミュニケーションエラーを恐れ、ミスを「未然に防ぐ」ために「情報共有」と称する「介入」を繰り返し、部下の「判断の余白」「創造性の余白」を奪ってしまう。

う~ん。コーチングの実践局面でもありそう・・・。
ついついコーチの「経験値の引き出し」から「情報」を引っぱり出して「言語化」し「共有」してしまう。
結果としてクライアントさんが自らの中に答えを見出す「余白」を奪ってしまう・・・。

「言語化」し過ぎない。
難しいですが、心がけましょう。

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10月3日 トップのひとこと

ついに会長の引責辞任に至った三菱電機の品質検査不正の背景には「極度に縦割りの組織体質」と「現場と本社の断絶」があったとされています。典型的な「大企業病」。
https://www.jiji.com/jc/v7?id=202106mitsubishiel

一方、中小企業の「組織疾患」は少し様相が異なりますよね。「トップ(社長)のひとこと」なんかはその一例でしょう。
中小企業のトップは圧倒的な絶対君主であることが多いです。大企業にもワンマン経営者はいますが、その言動が瞬時に末端まで影響を及ぼす速さや徹底度合いで言えばその比ではありません。

ある社長の口癖は「結論!」でした。
部下の説明をさえぎって、さえぎらずともPCの画面を見ながら「ながら聴き」で、「結論! ●●●×××でしょ。だから▲▲▲□□□すりゃいいじゃん!」。簡単明瞭。
非常に頭の良い社長で、「結論は素早く出す!」が信条のようです。
でも部下たちは、結局社長の「結論!」で終わっちゃうんだよな・・・。と意見具申をやめ、自分で考えるのをやめて、「言われたコトを黙ってやる」組織体質になってしまいました。

別の会社では、社長が何人かの部下をみんなの前でイジりまくり、茶化しまくります。
社長にすれば親愛の情を示したつもり、場の雰囲気を和ませたつもり、のようだったのですが、部下たちは本人も周りも「いじめ」と受けとめていたようです。会社のムードは推して知るべし。

いずれも社長の言葉に悪意はなかったようです。むしろ良かれと思っての言動。
ただ、社員の受け止め方は違った・・・。
そういう時、社員は表情を消して聞いていることが多いですね。喜怒哀楽を表に出さず。ありがちな風景。

社長、今のひとこと、大丈夫?

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9月26日 ウチは特別

A:コロナ禍は収まらんねぇ。緊急事態宣言下でも通勤電車は混んでるもんね
B:そうですね。政府はもっとリモートワークを奨励しないといけませんね。その気になれば在宅勤務の余地、まだまだあるはずですよね
A:う~ん・・・。ウチはね、官公庁が取引先だからビデオ会議とかのセキュリティーがうるさいんだよね。だから出勤して面談営業するしかないんよ

ご近所さんと実際にあった会話です。Bが僕。
世間話のつもりでリモートワークの話題を振ったんですが、Aさんは自分が在宅勤務をしてないことを責められてる?と思ったみたい。

Aさんのようなリアクションを「ウチは特別症候群」と言うんだそうです。
ウチ(の部署・会社・業界)は「特別」だからリモートワークは難しい。
ウチは「特別」だから、プラスチックごみの削減は難しい・・・・etc.
革新やイノベーションなど変化への「抵抗勢力」がたいてい口にする「ウチは特別だから・・・」

個々に聞いてみると、「まぁ、そうなのかも知れないけど・・・」みたいな「特別」の理由がそれなりにあります。
でも一方で「ウチは特別」とおっしゃる方の意識には「(変化を否定するのは)だからオレのせいじゃないよ。オレに言ってこないでよ」という感覚があるようにも思います。
変化を嫌う。自分ゴトとして捉えたくない。
人間の本性なんでしょうかねぇ。

でも、これを乗り越えないと企業や組織は変わっていきません。

御社の場合はどうですか?

いやぁ、大丈夫!ウチは特別だから・・・。

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9月19日 昼行燈宣言

初めまして(でもないか)。Hill Andonです。
情報発信サイトユニカイブの編集人兼ライターです。ビジネスコーチングもやってます。
もともとユニカイブは中小企業にとって有益な情報をアーカイブしていくことを意図したサイトなのですが、このコーナーは少しユルめにいきたいと思います。幅広いネタを拾ってほぼ週刊。どうかよろしくお願いいたします。

さて、Hill Andonという名前、日本語では昼行燈(ひるあんどん)と書きます。
辞書を見ると「昼間に点灯している行燈のように、うすぼんやりして役に立たない人」みたいに書かれています。
コーチングをやるにあたってはそんな風でありたい、と考えております。

クライアントが自らの力でありたい姿を見つけ、そこへの道筋を自ら選び取っていくプロセスを静かに寄り添い、見守る。
傍から見るとまるで昼行燈のように。

いやぁ難しい。実践の場ではなかなかそうはいきません。
オリジナルのキャラはむしろその真逆なもんで。

「コーチングってどうやるの?」
「質問を投げかけるんです」「答えはクライアントの中にあるんです」「コーチはクライアントがそれを見つけるのをお手伝いするんです」
って説明するんですけどたいてい物足りなさそうな顔をされます。

その上に「昼行燈が理想です」なんて言おうものなら・・・・。

御社だったら如何ですか。そんなビジネスコーチがやってきたら・・・?

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