ビジネスエッセイ~補助金にまつわる8つの「誤解」~

ビジネスエッセイ~補助金にまつわる8つの「誤解」~

2023年4月7日 オフ 投稿者: Hill Andon

認定支援機関として補助金の申請のお手伝いをしていると、クライアントさんのみならず様々な関係者の方々の様々な「誤解」と直面します。
ビックリしたりため息をついたり・・・。
本稿ではそんな様々な「誤解」のうちのいくつかをご紹介します。

「誤解」その1:「なんか良い補助金はないか?」という「誤解」

「なんか良い補助金ないですか?」「補助金に詳しいんでしょ?ウチにぴったりの補助金を提案してくださいよ」経営者の方々からしばしば投げかけられます。
一般に補助金というものはその制度を通して政策的に実現したい「目的」があって、事業者がその目的に合った「補助事業」を行う場合に交付されるものです。
事業者には自社が実施したい構想に基づいた事業計画が求められ、その計画が補助金制度の「目的」に合致しているか?が審査されるのです。
明確な事業構想なり計画なしに「なんかエエ補助金あったら教えて」は補助金という制度の本質を「誤解」されていると言わざるを得ません。

「誤解」その2:「補助金は申請要件に合っていればもらえる」という「誤解」

クライアントさんの中には補助金と助成金を混同されているケースが少なくありません。
慣れていらっしゃらないのですから、当然と言えば当然ですが・・・。
一般に補助金には「審査」があって、申請しても必ずもらえるとは限りません。公募期間が設けられ、その期間中に申請しないといけません。
一方、助成金は「要件」さえ満たしていれば支給され、多くの場合通年申請が可能です。
また補助金は設備投資に対する「補助」としてなされるケースがよくありますが、それに対して助成金は主に人材投資や研究開発費用などに支給されるケースが多いようです。(当然例外もあります)

          ちょっと違いましたね。

「誤解」その3:「補助金は採択されればすぐにおカネがもらえる」という「誤解」

補助金は原則「精算払い」です。おカネはいったん先に出ていきます。
ですからそのための資金調達が実は大きな課題です。補助金を手にするまでの間の「つなぎ資金」をどうするか?その算段をしっかり立ててから申請しましょう。
また、実際に補助金を受給するまでには様々な「お役所の掟」に則った手続きがあり、採択後1年近く経ってようやく受給できた、ということも珍しくありません。
ホントにうんざりするような細かい手続きがあり、わずかなミスでも延々とやり直させられます。修正して再申請して数週間待たされて、また別の「重箱のスミ」をつついてきます。(笑)
「いい加減にしろよ!!」と怒っているアナタ。あなたは補助金というものを「誤解」しています。(笑)

「誤解」その4:「採択された!さっそく補助事業に取り掛かろう!!」という「誤解」

多くの補助金は「採択」されたのちに「交付申請」→「交付決定」という手続きが必要です。
事業再構築補助金の場合、採択申請の内容に沿った事業経費の見積書と相見積書、図面といった資料を整えて「交付申請」することが求められます。
この申請に対する「審査」(「誤解」その3参照)を経て「交付決定」がなされて初めて補助事業に取り掛かれます。交付決定前になされた発注・契約・支出は原則支給対象外です。
もっとも「事前着手申請」という制度があって(これまた事業再構築補助金の場合ですが)、これを申請して承認を取っておくことにより、補助事業に文字通り「事前着手」できる場合もあります。

「誤解」その5:「貰っちまったらこっちのもん」という「誤解」

補助金をもらった後、補助対象となった事業がその後どのように進展したか?原則数年間のモニタリングを実施し、報告する義務があります。
補助金の対象となった経費や資産の明細を一定期間保管することはもちろん、定期的な報告を行うことが一般的です。
ものづくり補助金や事業再構築補助金の場合、補助対象事業が実際に稼働したか?収益を生み出しているか?について報告しなければなりません。その上で「たくさん儲かっていれば」その収益の一部をもって補助金を返還しなければなりません。「えっ、そうなの?貰いっきりじゃないの?」と驚いているアナタ。あなたは補助金というものを「誤解」しています。(笑)
また、補助金で取得した資産は勝手に売却や除却、他の事業に使用することは原則としてできないことも留意しておく必要があります。
「ダメだ。この事業失敗だ。補助金で買った機械だけど、スクラップ屋に売り飛ばそう」は、ダメです。

「誤解」その6:「貰った補助金に税金はかからない」という「誤解」

支給された補助金は原則として、法人の場合は法人税、個人事業主の場合は所得税の課税対象です。
消費税の課税対象にはなりません。
収益として計上する時期については、支給決定があった日の属する事業年度です。
詳しくは貴社の顧問税理士さんにご確認ください。

  うわっ! 気持ちワル! ゴカイですか?!

「誤解」その7:「補助金申請代行は違法」という「誤解」

厚生労働省が提供する助成金は、申請書作成や提出が社会保険労務士の独占業務であると法律で規定されているため、社労士以外が申請すると違法だそうです。
経済産業省や地方自治体などが実施している補助金制度の申請においては、補助金申請の資料の作成代行に関しては、行政書士が行わなくてはいけません。
よって行政書士以外(たとえば事業再構築補助金等で活躍?している「認定支援機関」。筆者もですが。)は、資料作成の相談にのったり指導をしたりするレベルの業務となりますが、では資料の「添削」はどうか?といった微妙な領域が存在します。
社労士や行政書士は当然「それはクロ」というでしょうし、それ以外のコンサル会社は是とも非とも言わないでしょうね。
役所に聞いてもおそらく教科書論か玉虫色の答えしか返ってこないでしょうしね。
とはいえ専門性の高い申請資料の作成実務について「誰がやるか?」は難しい問題。申請事業者の内部人材では手に余り、行政書士だって内心では「こんなのわかんねぇよ・・・」って思ってたりして・・・。

「誤解」その8:「自分こそ補助金を受けるにふさわしい」という「誤解」

製品開発中で赤字が続いているベンチャー企業、市場の変化により新たな投資や戦略の転換が迫られている企業、そんな企業こそリスクの少ない資金(=返さなくていい資金、つまり補助金)が必要です。なので、そういう企業の経営者の方は「ウチみたいな会社に補助金回さなくてどうすんだ!」と思いがち。
しかし、補助金の原資は税金であり、それが特定の企業の運転資金やリスクの高い投資に消えてしまう事をおカミ(国)は望んでいません。
コロナ禍のような国難に対応するために設計された事業再構築補助金のような制度もありますが、従来はほとんどの補助金が、恒常的に納税をしている黒字体質の企業が対象です。
明確な規定がある訳ではありませんが、補助金が受け取れる具体的なラインとしては2期黒字で債務超過ではない企業だと言われています。

赤字であっても採択される会社はありますが、それは申請した計画に「現状を脱して黒字化し納税をする」までの道筋が具体性に示されているからです。
例えば、ものづくり補助金であれば「ものづくり高度化指針」、再構築補助金であれば「事業再構築指針」に沿っている計画かどうかが問われますが、それ以前に「補助される金額以上の税金を国に納めているか」は申請の是非を決める際のひとつのラインです。

        豪快に外してますね!

如何でしょうか?
補助金にまつわる様々な「誤解」たち。
ご参考となれば幸いです。

また、
「こんな「誤解」もあるよ!」
「これって「誤解」ですかね?」
といったご指摘ご質問があればどしどしお寄せください。
場合によっては続編も企画したいと考えております。

補助金に関わる全てに人々がハッピーになりますように!
申請事業者も、納入業者も、申請支援者も、そしてお役所のスタッフの方々も・・・。

(この稿おわり)

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