ビジネスエッセイ:事業再構築補助金を実際に申請してみました-②

ビジネスエッセイ:事業再構築補助金を実際に申請してみました-②

2021年5月5日 オフ 投稿者: Hill Andon

前回に続き、事業再構築補助金の第1回公募申請の実務に関与した実践ルポをお届けします。

前回はこちら

申請フォーマット


4月15日になり、ようやく電子申請システムがオープン。
実際にログインしてみると、システム上での入力ページ数は8ページありました。

  • 申請者の概要
  • 応募申請者の概要
  • 事業概要
  • 経費明細表/資金調達内訳
    等々
    「申請者の概要」と「応募申請者の概要」ってどうちがうねん!とツッこまざるを得ない入力項目名もありますが、とにかくどんどん入力していきます。
    このあたりは「電子申請入力項目」というフォーマット(事業再構築補助金のウェブサイトに参考資料として貼り付いています。元々はものづくり補助金のフォーマットを流用したもののようですが)で予め仕込んでおいたデータが役に立ちました。

提出書類

さらに、添付書類をアップロードしなければなりません。書類数は「必須」だけで10種類。

  • 事業計画書
  • 決算書などの財務資料
  • 事業類型に関する要件の②「売上減少要件」を充足する資料
  • 認定支援機関確認書
  • 労働者名簿
    等々

たくさんある要件によっては、その充足をどう示すか?求められ方が異なります。
電子申請システムのページ上にフォーマットがある場合(売上減少要件・付加価値額要件・認定支援機関要件など)もあれば、添付書類の一つである「事業計画書」の中での記載を求められる要件もあります。
示し方も、表の形式をとる場合もあれば、特に形式を求められない場合もあります。

「事業再構築類型」の要件の1つである「売上高10%要件」(3-5年の事業計画期間終了後の新製品/新事業の売上高が総売上高の10%以上を占める)に関して言うと、既存事業売上高・新事業売上高・総売上高・売上高構成比などの推移を表にしないと要件充足を客観的に示せないのでは?と筆者などは考えるのですが、電子申請システムの上にフォーマットが用意されているわけでもなく、「電子申請入力項目」にも入力のイメージは示されていません。公募要領にも「事業再構築指針」に沿った事業計画を作成するよう求められているのみで、具体的に売上高10%要件を申請書類のどこでどのように記載すればいいかの明示されていません。


要件充足についての記載に抜け漏れがないか?適切に表現できているか?は申請者にとって非常に神経質になるところで、これらを一覧的にチェックできるようなフォーマットの整備が求められます。

添付書類で厄介なのは「経済産業省ミラサポ plus「電子申請サポート」により作成した事業財務情報」(以下ミラサポレポート)です。
これを添付書類とするにはまず、ミラサポplusに登録しなければなりません。
そもそも電子申請システムが使えるようになるためには「GビズIDプライムアカウント」の登録/取得が必要ですが、それとは別にミラサポへの登録が必要です。


登録が終わり、「いざミラサポレポートを入手!!」と電子申請システムの添付書類欄を見ると、「経済産業省ミラサポplusにより作成した「活動レポート(ローカルベンチマーク)」と記載されています。
「そうかそうか活動レポートだな」とミラサポの「活動レポート(ローカルベンチマーク)」のページに入ると「「BIレポート」は事業再構築補助金の申請書類ではございません。」との記載。ムムっ!どういう意味だ???
実際には「BIレポート」のページの「電子申請サポート」に入り、「必要項目(*)」に入力し(3期分の財務情報・株主情報・役員情報・事業所情報⇒これがまたボリュームが多い!)、その上で「事業財務情報」をpdf化したものが、添付書類(つまりミラサポレポート)となります。
たしかに公募要領をよく読めば、そのように書いてあります。それは認めます。
しかし公募要領を一読しただけで、しかも電子申請システムやミラサポのサイト上には上記のように記載されていて、迷わず「正解」にたどり着ける人が何人いるだろうか?と考えてしまいます。

添付書類の1つ「認定支援機関確認書」には一般的には認定支援機関の捺印がなされたものが必要であるように思えます。
一方で「緊急事態宣言の影響を受けたことの宣誓書」はエクセルファイルの添付が求められており(pdfは添付できない)、事業者は捺印のしようがありません。
「宣誓書」なのにハンコなくて良いの?
現在政府は「行政のデジタル化」を推進し、「ハンコ廃止」の流れが生まれていることは理解しますが、本補助金でそれがどのように取り扱われているかは判然としません。
認定支援機関確認書にはハンコは不要だったのだろうか?公募要領に明示はなく謎のままです。

事務局


公募要領・手引きを読んでも分からない(そもそもどこに何が書いてあるか?が分かり難い)ことが少なくなく、結局「コールセンターに聞いてみよう」ということになります。
ところが、電話口に出た対応者自身が不慣れで社名確認などに時間を取られ、聞きたい要件にたどり着いてみると対応者本人では即答できず、「しばらくお待ちください」。
これではいつ電話をかけても「ただいま電話が大変込みあっております」となるはずです。
事務局の処理能力の向上が望まれます。

余談ですが、公募要領に記載されているコールセンターの電話番号が2種類あります(ナビダイヤルとIP電話)。その違いは何なんでしょうか?
一般的にはIP電話の方では携帯電話からの着信を拒否し、携帯電話からはナビダイヤルにかけさせる、みたいな区別があるかと思うのですが、本件はそうでもなさそう。
携帯からIP電話でも普通につながりましたし、おカネのかかる(20秒ごとに課金される)ナビダイヤルの方がつながり易い、というワケでもなかったです。
なのに何故ナビダイヤルの回線を確保しているのか?謎は深まるばかりです。

とまぁ、ここまで書き連ねてきましたが、これらの内容については補助金申請に慣れた「専門家」であれば、過去の経験から「おそらくこうだろう」「こういう風に解釈すればいいんだよ」といった洞察や判断ができることも多いと思います。
しかし、建前としてはこうした補助金申請は事業者自らが行うもの。中小企業の社内に補助金申請に慣れた「専門家」がどれほどいるでしょう?
確かに本補助金については認定支援機関と共に申請することになっていますが、実際に申請書類作りを手伝ってくれるかどうか?は認定支援機関によってまちまちのようです。
中小企業の限られたリソースを前提に、誰もがアクセスしやすい申請フォーマットが用意されるべきではないでしょうか?

第二回公募は5月10日頃から公募を開始し、7月上旬まで申請受付とのことです。
基本的には同じ事業者が何度も申請することはあまりないので、次回応募してくる事業者の大半は「初申請」でしょう。
初申請の方々がが戸惑うことのないよう、改善を期待したいと思います。

(この稿おわり)