書評:NLPコーチング ~人を覚醒に導く史上最強の心理アプローチ~

書評:NLPコーチング ~人を覚醒に導く史上最強の心理アプローチ~

2021年7月27日 オフ 投稿者: Hill Andon

著者:ロバート・ディルツ
訳者:横山 真由美
監修:足達 大和

出版社 : GENIUS PUBLISHING
発売日 : 2020年12月25日
単行本 : 422ページ

☆☆ ご興味のある方はどうぞ

NLP (Neuro-Linguistic Programming)は神経言語プログラミングと呼ばれ、「ジョン・グリンダー(言語学者)とリチャード・バンドラーによって提唱された、コミュニケーション、能力開発、心理療法へのアプローチを目指す技法」とされています。(ウィキペディア)

本書は、そのNLPの枠組みをコーチングに応用した「NLPコーチング」の「コーチのためのワークブック」です。
本書によるとNLPにおいては「いかなるシステムに属する人間の人生も、そのシステム自体も「環境」「行動」「能力」「信念と価値観」「アイデンティティ」「スピリチュアル」という6つのレベルで表現し、理解」できるとされています。
コーチングもそれら6つの各レベルにおいて実践されます。
これらは全体として「広義のコーチング」と捉えられ、クライアントに対しては、「ガイディングとケアテイキング」「コーチング」「ティーチング」「メンタリング」「スポンサリング」「アウェイクニング」の、上記6レベルに対応したサポートが必要とされます。

本書ではこの6つのサポートレベルにおいてコーチがクライアントに対して、もしくはクライアントと共に行なうべき様々なエクササイズが「ツールボックス」として紹介されています。その数、実に48種類。
それらの中には実際のコーチングや1on1ミーティングの場で使ってみようと思わせる質問であったり、人材開発のワークショップのコンテンツになりそうな「ツール」が含まれています。
一方で、あまり実践では(少なくとも本書で得られた情報だけでは)使えそうもない「ツール」もかなりあります。

これら「ツール」を使いこなせるようになるには、本書の監修者が所属する「NLP-JAPANラーニングセンター」などで学ばないといけないのかもしれません。
ちなみに日本で「NLPコーチング」と称して展開している団体は複数あるようで、例えば上記「NLP-JAPANラーニングセンター」以外に「日本NLP能力開発協会」「シナジープラス日本NLPコーチング協会」などのWebサイトが確認できました。(他にもあるかもしれません)

いずれにせよ、本書だけではNLPがなんたるか?それを基盤としたNLPコーチングについての理解がハラ落ちするのは少し難しく、NLPコーチングの世界に足を踏み入れる第一歩、の位置づけとなるでしょう。
(この稿おわり)

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