ビジネスコーチのショートエッセイ;気分は昼行燈(ひるあんどん)-㉘

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2022年4月29日 オフ 投稿者: Hill Andon

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この『戦略』が成功したら、ウチの社員はどんな恩恵を受けるだろうか?

「戦略をたてましょう!」
よく言われますね。
たいてい「計画もたてましょう」とセットになっています。
ウッカリすると戦略=計画みたいな前提でハナシが進んでしまうことも。

たいてい上手くいきませんね。戦略立案。

なんでででしょう?

上場企業の場合は、株主やら社外取締役やらIRのテマエ、「やらんわけにはいかんだろう!」(by経営企画部長)ってとこでしょうか。
非上場企業や中小企業も、金融機関とかから「やはり中期経営計画は作っていただかないと・・・」みたいなコトを社長が言われ、「経営戦略をたてろ!」みたいな話になると。(典型的な、戦略=計画パターン)

いずれにせよ「やらされ感」の中で戦略をたてても上手くいきませんね。

では「戦略なんて必要ない!!」のか?
いや、必要です。
特に中小企業には。
中小企業は得てして「優先順位」が苦手。

ウチの会社はどっちに向かって進んで行きたいか?
そのためには何に注力して何を捨てななければならないか?
で、何から手をつける?

このあたりを考えるクセをつける必要があります。経営陣も社員も。

ついでに、
どうせやるならいつまでに?
誰がやるんだ?
何ができたら「達成」なんだ?

なんてコトも決めちゃいましょう。
これで立派な「計画」です。

まぁな。わかるんだけどさ。
それこそ何から手をつけたら良いんだよ?

そうですよね。
まず、「どっちに向かうか?」のイメージが必要ですよね。
ウチの会社は何をどうするために商売やってんだ?
それをこれからどうしていきたいんだ?

経営者もたまにはこういった自問自答が必要です。

で、その時の助けになる問いかけがコレ。
「この『戦略』が成功したら、ウチの社員はどんな恩恵を受けるだろうか?」

すでに「戦略」っぽいモノが頭の中にボンヤリとでもある場合は、「社員の恩恵」にフォーカスしてみましょう。
社員の給料が上がる?(ホントかなぁ?仮に成功して儲かっても、オレ社員の給料上げねぇかもな)
社員が世間から尊敬される?(そうかなぁ。そんな大層な「戦略」じゃねぇしな)
他には・・・?
いろいろ考えましょう。
何かひとつくらい経営者のハラ落ちする「社員の恩恵」が浮かばないと、その「戦略」にはちょっと本気では取り組めないのでは?

一方そもそも「戦略」が思い浮かんでいない場合は?
まず、社員の喜ぶ顔とそのシチュエーションを具体的に思い浮かべてみましょう。それが「社員の恩恵」のはずです。
その恩恵を実現するには・・・?

そりゃあ、給料上がれば社員は喜ぶわな。そのためには売上増やして・・・。
イヤ待てよ。売上じゃないな。利益だな。利益増やさんと給料出ねぇな。
利益出すには、何やるんだ?

ちょっと安直な例になっちゃいましたが、こんな安直な例であっても、もし社長さんがホンキで「利益増やすにはどうしたらいいんだ!?」って考え始めたら(いつも考えてそうで、意外に考えてないんだよなぁ・・・)、それはホンモノの「戦略」への第一歩です。

「この『戦略』が成功したら、ウチの社員はどんな恩恵を受けるだろうか?」
この問いから、あなたは何を思い浮かべますか?

参考文献:「戦略質問」金巻龍一著 東洋経済新報社

(次回に続く)
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